Android-x86をVirtualBoxで動かします。
Googleアカウントを設定してGoogle Nowを起動するところまで説明します。
Table of Contents
1 Android-x86とは
core-i7やATOM等のIntel CPUで動くAndroidです。Androidは通常スマートフォンで使われるARMという省電力CPUで動作するのですが、Android-x86を用いればパソコンや仮想マシン上でAndroidを動かすことができます。
ARM向けAndroidはAndroid SDKが提供する仮想マシン実行環境のemulator上でも動作させることができますが、CPU命令セットをエミュレートさせる分、処理が重くなりがちです。
Android-x86を利用すれば、仮想マシン実行環境でCPU命令セットをエミュレートさせる必要がなく、加えてIntel CPUの仮想化支援機能も使うことが可能なので、ARM向けAndroidを使う場合に比べて格段の速度を得ることができます。
今回は仮装マシン実行環境であるVirtualBox上でAndroid-x86を実行します。
2 Android-x86の入手
Android-x86のプロジェクトページへ行き、android-x86-4.4-r2.isoをダウンロードします
(以降の説明で、android-x86-4.4-r1.isoを用いてる箇所がありますが、android-x86-4.4-r2.isoをお使いください)。
3 VirtualBoxの入手とインストール
VirutalBoxのプロジェクトページへ行き、VirtualBoxを入手します。VirtualBox実行環境のOSに合わせたものを選択してください。
インストールする機能を選択します。デフォルトのまま、全てにチェックを入れておきます。
途中でドライバーをインストールするかの確認ダイアログが4つほど出ます。全てインストールします。これらのドライバは仮想マシンにデバイスを分配するためのものです。
4 仮想マシンの作成
起動画面は次のようになります。「新規」ボタンを押して仮想マシンを作成します。
仮想マシンの作成画面に移ります。
仮想マシンの名前は自分で何の仮想マシンかが分かるものにすれば良いでしょう。タイプはLinuxにしておきます。バージョンはVirtualBoxを動かすOSが32bit環境ならOther Linux (32bit)に、64bit環境ならOther Linux(32bit)とOther Linux(64bit)のどちらでも構いません(64bitは32bitの上位互換)。若干ややこしいですが、Android-x86は32bitのOSです。
メモリサイズは1024MByteにします。
「仮想ハードドライブを作成します(C)」を選びます。
ハードドライブのファイルタイプは「VDI」にします。物理ハードドライブにあるストレージは「可変サイズ」「固定サイズ」のどちらでも構いません。ファイルの場所とサイズで、ファイル名はそのままにし、サイズを40GBにします(40GB以上でも良いでしょう)。
以上で空の仮想マシンが作成されます。
5 仮想マシンの設定
VirtualBoxで空の仮想マシンを設定します。
「ディスプレイ」のところで、ビデオメモリーを128MBに、「3Dアクセラレーションを有効化」にチェックを入れます。
「ストレージ」のところでCDのアイコンをクリックすると、CD/DVDの選択画面になります。「仮想CD/DVDディスクファイルの選択」をクリックします。
先ほど入手したandroid-x86-4.4-r2.isoを選択します。
以上で設定は完了です。好みに合わせてCPUのコア数を変更しても良いかもしれません。
6 Android-x86のインストール
「起動(T)」から仮想マシンを起動します。
仮想マシンのディスプレイがウィンドウとしてポップします。ここで注意したいのが、仮想マシンのディスプレイをマウスでクリックすると仮想マシンにキーボードとマウスの制御が渡される点です。
制御をホストマシン(VirtualBoxを実行しているマシン)に戻すにはWindowsだとデフォルトで右Ctrlキー、osxならCommandキーを押す必要があります。
ブートローダが起動するとメニューが表示されます。「Installation - Install Android-x86 to harddisk」を選択します。これ以降はキーボードの矢印キーとEnterキーで進めます(矢印で項目移動、Enterで選択)。
「Create/Modify partitions」を選択します。もしここでデバイスが認識されていない場合は、仮想マシンの設定でストレージの種類をSCSIやIDEに変更してみてください(virtioは認識しないようです)。
パーティションの作成画面に移ります(fdiskをガイドに沿って実行)。「New」、「Primary」を押して、サイズはそのまま(ディスク全体)にします。「Bootable」も押します。「Write」を押し、yesとキー入力後にEnterキーを押します。ディスクにパーティションの内容が反映されます。
反映が終わったら「QUIT」で戻ります。「sda1 Linux VBOX HARDDISK」というエントリが作成されているので、選択します。
ファイルシステムの選択画面に移ります。ext3を選択します。確認画面が表示されるので「Yes」を選択します。
GRUBというブートローダをインストールするかと尋ねられるので、「Yes」を選択します。
/systemディレクトリを読み書き可能にするかを尋ねられます。どちらでも良い気はしますが、「Yes」を選択します。
インストールが完了したら「Reboot」を選択します。起動すると再度DVD起動になるのですが、右下のCDマークのアイコンを右クリックし、「Remove disk from virtual drive」を右クリックすることで、DVDを除去します。
左上のxボタンを押し、一番下の「仮想マシンの電源オフ」をチェックしてOKを押します。もう一度仮想マシンを起動すると、ハードディスクから起動します。
7 Android-x86の起動
このままだとマウスポインタが消えて操作が困難です。右下のマウスアイコンを右クリックし、「Disable Mouse Integration (Host+I)」を右クリックします(チェックが入った状態にする)。
矢印キーの上下で言語を選択し、進みます。Wi-Fiの選択画面になりますが、スキップします(現在有線LANでネットワーク接続されている状態)。
以降はGoogleアカウントを設定します。
Google Nowを起動してみました。Youtube等のアプリも問題なく起動できます。