2016/4/21にUbuntu 16.04 LTSがリリースされました。
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1 新規インストールする場合
rikenのUbuntu 16.04のミラーページからubuntu-16.04-desktop-amd64.isoををダウンロードします。
$ wget http://ftp.riken.jp/Linux/ubuntu-releases/xenial/ubuntu-16.04.1-desktop-amd64.iso
ここではVirtualBoxにインストールします。CPU数1、メモリ1024MB、ストレージ40GB、ビデオメモリを12MBにします。
isoイメージを立ち上げるとインストーラの言語選択画面が表示されます。日本語を選択します。
インストールメニューが表示されます。LiveDVDとして使う場合は「インストールせずにUbuntuを試してみる」を選択します。ここではストレージにUbuntuをインストールする「Ubuntuをインストール」を選択します。
インストーラの言語選択リストが表示されますが、すでに日本語で選択しているので、そのままにして「続ける」を選択します。
サードパーティー製のソフトウェアをインストールするかどうかの画面が表示されます。チェックを入れると良いでしょう。「続ける」を選択します。
インストール先を選択する画面が表示されます。複数ディスクを持っていたり、すでにパーティションが区切られている場合(デュアルブート環境等)はインストール先を選択する必要があります。
ディスクが一つしかなく、そのストレージ全体をUbuntu 16.04用にする場合は「ディスクを削除してUbuntuをインストール」で問題ありません。
ここではLVMを利用する為に「新しいUbuntuのインストールにLVMを使用する」にチェックを入れています。LVMを用いることでディスク追加に柔軟に対応できます。
インストール先が決まったら「インストール」を選択します。
ディスクへの書き込みの確認画面が表示されます。問題がなければ「続ける」を選択します。
タイムゾーンの選択画面が表示されます。インストーラの表示言語を日本語にしてる場合は最初からTokyoとなっています。なっていない場合は地図上で選択してTokyoにします。
タイムゾーンが選択できたら「続ける」を選択します。
キーボードの選択画面が表示されます。全角半角がついたキーボードの場合は「日本語」です。キーボードを選択したら「続ける」を選択します。
コンピュータ名とユーザ名の入力画面が表示されます。入力し終わったら「続ける」を選択します。
インストールが開始されます。しばらく待ちましょう。
インストールが完了画面が表示されます。「今すぐ再起動する」を選択します。
インストールしたisoを外してから起動します。ログイン画面が表示されました。
2 Ubuntu 14.04 LTSからアップグレードする場合
予めUbuntu 14.04のアップデートが完了した状態にします。
sudo apt-get update -y sudo apt-get upgrade -y sudo apt-get dist-upgrade -y
SSH経由だとアップグレードが失敗するかもという警告が出るので、UbuntuのデスクトップからTerminal起動して以下のコマンドを実行します。
sudo apt-get install update-manager-core sudo do-release-upgrade -d
以下の確認が表示されるのでyをタイプします。
アップグレードを開始しますか? 133 個のインストール済みパッケージは Canonical によってサポートされなくなりました。ただしコミュニティからのサポートは 受けることができます。 52 個のパッケージが削除されます。 433 個の新規パッケージがインストール されます。 1478 個のパッケージがアップグレードされます。 合計 1,041 M をダウンロードする必要があります。 このダウンロードは約 3 分 かかります。 アップグレードをインストールするのに数時間かかることがあります。ダウン ロードが完了してしまうと、処理はキャンセルできません。 続行する[yN] 詳細 [d]
パッケージのダウンロードが完了すると、サービスを自動で再起動して良いかを尋ねられます。「はい」を選択した場合は確認しないようになります(アップグレード作業中に脇でサービスを利用している場合は「いいえ」を選択すると良いでしょう)。
1時間ほど経過した後、サポートされなくなったパッケージを削除するかを尋ねられます。dで詳細を開き、今後も必要なものがあるかを確認してから、削除するかしないかを決めると良いでしょう。
サポートが中止された(あるいはリポジトリに存在しない)パッケージを削除 しますか? 108 個のパッケージが削除されます。 パッケージの削除に数時間かかることがあります 続行する[yN] 詳細 [d]
最後に再起動するとアップグレードが完了します。
システムのアップグレードが完了しました。 再起動が必要です アップグレードを完了するには再起動が必要です。 'Y' を選択すると再起動します。 続行する[yN] y
起動するとUbuntu 16.04となっています。
3 インストール後の設定
一般ユーザ向けの設定を記載します。
3.1 不完全な言語サポートを修正する
インストール直後の状態だとアプリケーションの日本語化が十分でない場合があります。 こちらの設定で不完全な言語サポートを修正します。
3.2 LVMが有効な場合に起動時間が遅くなる問題を修正する
LVMが有効だと起動時間が5秒ほど遅くなります。 こちらの設定で改善されます。
3.3 bashのプロンプト文字列を短くする
ターミナルに表示されるbashのプロンプト文字列は長すぎて不便です。 こちらの設定で短くすることができます。
4 開発者向けの設定
開発者向けの設定を記載します。
4.1 自動アップデートを無効にする
インストール直後の状態だと起動時に自動アップデートが実行されます。これはUbuntu 16.04起動後にaptを使ったスクリプトを走らせたい場合にaptのロックが取得できずに困ります。 こちらの設定で自動アップデートを無効にできます。
4.2 sudoのパスワードを不要にする
sudo実行時にパスワード認証が必要です。これはsudoを使ったスクリプトを実行するような場合に不便です。 こちらの設定で不要にできます。
4.3 apt sourceとapt build-depできるようにする
インストールしたままだとapt sourceとapt build-depは動作しないようになっています。apt sourceはパッケージのソースコードを取得するコマンドで、apt build-depはパッケージのビルドに必要なパッケージをインストールするコマンドです。 こちらの設定でapt sourceとapt-get build-depできるようにします。
4.4 デバッグシンボルをインストールする
デバッグシンボルをインストールすることで、インストールしたパッケージをGDBでデバッグできるようになります。 こちらの設定でデバッグシンボルでパッケージのデバッグができるようになります。
5 Ubuntu 16.04で新しくなったこと
主要パッケージのバージョンは以下の通りです。
- Linuxカーネルは4.4
- GLibcは2.23
- GCCは5.4
- Clang/LLVMは3.8
5.1 ZFS
ストレージ向けのファイルシステムとして評価が高いZFSがaptでインストールできるようになっています。インストール方法はこちらを参照してください。
5.2 snapパッケージ
snapパッケージが導入されています。これはdebパッケージとは別に管理されるパッケージで、apt-getコマンドではなくsnapコマンドでパッケージをインストールします。
将来的に完全に置き換えるつもりなのかどうかはわかりませんが、しばらくはdebパッケージとsnapパッケージが混在する状態になるでしょう。
snapパッケージのインストール方法と作成方法はこちらを参照してください。
5.3 Flatpakパッケージ
Ubuntu固有のものではないですが、snapパッケージと同じ立ち位置のFlatpakパッケージがUbuntuでも利用できるようになっています。
FlatpakパッケージはUbuntu以外のディストリビューションでも動作し、snapパッケージよりも開発が進んでいます。
Flatpakパッケージのインストール方法と作成方法はこちらを参照してください。