GoogleはFuchsiaという新しいOSをリリースしました。Fuchsiaに少し触れてみたので現在気になっていることを記載します。
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1 必要スペック
qemu-system-aarch64上で動かすのにRAMが12MB必要です。カーネルイメージのmagenta.binは3.2MB、ルートファイルシステムイメージのbootfs.imgは2.1MB、ブートローダがu-bootの場合は500KB程度でしょう。よって最低8MB程度のROMが必要です。
これはシェルとテストプログラムが動くだけのシステムでのスペックです。ライブラリとアプリが拡充されればRAMとROMは増加するでしょう。
2 RTOSかどうか
VxWorks, T-engine等のRTOSはRAM 1MB以下で動作しており、Fuchsiaとは競合しません。競合するのは組込みLinuxです。RTOSやリアルタイム性についての記述はGitHubのプロジェクトページに記載されていません。比較の例で挙げているFreeRTOSのせいでRTOSとして扱われている気がします。
3 Cortex-Mをサポート
どの程度動くのかは不明ですが、magenta/kernel/arch/arm/arm-m/にコードが格納されています。省電力を用途にしたデバイスに使えるのかもしれません。Google Glassに使うのでしょうか。
4 現状と課題
現状、ライブラリとアプリは全然ありません。Rraspberry Pi 3をサポートする予定のようですが、このままだとシェルと少しのデバイスを叩くテストプログラムが動くだけになってしまいます。Googleのどの製品に使うのか、組込みLinuxとの差別化は何かについて明確にしてほしいです。